不登校の子どもにとって、思いや悩みを共有しながら信頼関係を築ける居場所を持つことは非常に重要です。対人関係に自信が持てるほか、居場所があると感じられることが心の支えになるケースもあるでしょう。今回は、不登校の子どもに必要な居場所の選択肢やそれぞれのメリットについて詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
自宅での学習環境を整えるための選択肢
不登校の子どもは学校という学習の場所から遠ざかっているため、その分自宅での学習環境を整えることが重要です。自宅学習を続けることで日々の学習機会を設けられるほか、自宅にいながら自分の居場所を見つけられるため、安心感や自信にもつながるでしょう。
また、いずれ学校への復帰を考えるタイミングがあった場合、学習が遅れすぎているという事態を防いでスムーズに復帰を叶えられます。ここでは、不登校の子どもが自宅の学習環境を整えるための選択肢について詳しく解説します。
家庭教師を依頼する
家庭教師を依頼することで、自主学習では難しい範囲もスムーズに理解して学習を進めることが可能です。自宅で対面にて教えてもらうスタイルはもちろん、ビデオ会議ツールを利用してオンラインにて指導してもらうパターンも選択できます。
曜日や時間を固定して家庭教師を依頼することで学習へのモチベーションを保ちやすく、また、マンツーマンであるため学習内容やペースも配慮してもらえます。家庭教師とのコミュニケーションを通して信頼関係を築くことで、自分の居場所や心の支えのような存在にもなり得るでしょう。
通信制高校に通う
不登校になった際、学校を変えて新しい居場所ができたという声は少なくありません。環境を変えて人間関係を作り直すことには勇気がいりますが、通信制であれば自宅にいながらの学習を基本としているため登校日数が少なく、少しずつ他者との関わりを持ちたいという人にも向いています。
インターネット学習塾を利用する
学習塾の中には、インターネットを利用した動画講義を提供するスタイルの塾もあります。自宅での学習環境を整えつつ自身のペースで少しずつ他者とのかかわりを持ちたい場合には、まずは通塾するよりもインターネット学習塾が向いているでしょう。
ただし、たとえライブ講義であったとしても実際に講師と対面するわけではないため、学習へのモチベーションを保てない人もいるでしょう。
通学に代わる居場所としての学びの場
不登校で通学が難しい場合は、学校に代わる学びの場を見つけることもおすすめです。学校とは異なる場所を拠点とすることで人間関係がスムーズに進むことや、集団生活に自信が持てるケースも多いです。ここでは、学校に代わる居場所として通える学びの場について詳しく解説します。
民間の学習塾に通う
学校外で人との関わりを持ちながら学習したい場合、集団学習塾や個別学習塾に通うのがおすすめです。もともと集団生活に苦手意識がなく、学校での人間関係にのみ不安があるという場合には、集団学習にて他の生徒や講師と信頼関係を築きながら勉強することで、新たな居場所を作れるでしょう。
また、まずは自宅以外で少しずつ対人関係を築き上げていきたいという人は、他の生徒とかかわる機会がない個別学習塾に通うのもひとつの手です。
不登校専門塾に通う
不登校専門塾は不登校の生徒のサポートを提供する塾であり、公的施設・民間施設の2種類があります。公的施設では学習サポートやカウンセリングをメインとしながら、同じ施設に通う子ども同士でのスポーツ・ゲームなど、集団活動の機会も設けています。
不登校の悩みを抱える仲間と出会ってそれぞれの思いや悩みを共有することで、学校に代わる新たな居場所となるでしょう。また、民間施設はフリースクールとも呼ばれ、必ずしも学校復帰をゴールとするのではなく、自由度の高いサービスを提供しています。
それぞれの施設ごとに理念や趣旨も大きく異なるため、ニーズや思いに合った施設を探すことが重要です。
地域や社会とのつながりを広げる居場所
学習機会とは別で地域や社会とのつながりを持ちたい場合には、高校生でアルバイトが禁止されていないのであれば、アルバイトを始めてみるのもひとつの手です。
他のアルバイトや社員とかかわりながらお金を稼ぐ経験をすることで、学校の勉強とは異なる学びの機会を得られるでしょう。また、よく行くお店や医療機関などが人とのつながりを持てる貴重な居場所となることも少なくありません。
無理に居場所を作ろうと躍起にならず、一日一日の生活を大切にできるよう心がけるのもよいでしょう。
まとめ
今回は、不登校の子どもに必要な居場所について詳しく解説しました。不登校の子どもに居場所を作る際は学習機会を兼ねられるよう意識することで、その後の学校復帰がスムーズになるというメリットもあります。自宅での学習機会を作るには家庭教師や通信制高校が、学校に代わる居場所を作って学習するには民間の学習塾や不登校塾が向いているでしょう。集団生活への抵抗がない場合には、集団学習塾や不登校塾に通って新たな居場所で仲間を作るのもひとつの方法です。また、アルバイトなどで地域・社会とのつながりを持って対人関係に自信をつけながら、学校では学べない仲間とともに働いてお金を稼ぐということを身につけるのもよいでしょう。
